年頭のご挨拶

                          

親和会会長 千葉泰久 

皆様におかれましては健やかに新年をお迎えのこととお慶び申しあげます。 会員の皆様およびご家族にとりまして今年が良い年になりますよう、ご祈念申し上げます。

 さて、日本経済ではアベノミクスの成果の是非を問われる重要な時期にさしかかっておりますが、昨年来のグローバルな大変化が更に将来を予測しがたい混迷さを招いているようです。即ち、英国のEU離脱とアメリカにおけるトランプ大統領の誕生という出来事です。TPPの是非が取りざたされているとともに、地球温暖化対策への姿勢まで異論が噴出してきそうな勢いを感じさせられます。

 米国発のシェールガス革命がエネルギー・資源の分野に大きなパラダイムシフトを喚起し、米国がエネルギー資源大国に返り咲き、コモディティを含めた世界の製造拠点までが様変わりをはじめたのです。更に地球温暖化対策も含めて、あらゆる事象が取り沙汰されるようになり、多くの国々が自身の主義主張を唱え激しい綱引きが始まっています。人間が快適な社会生活を営み続けたいと望む限り、エネルギーの安定確保が総ての社会活動・行動の基本となります。このエネルギー確保のグローバルな流れを読み取り、これを基本に据えて取組んでいくことが今後の社会を切り開く力となるし、この難局に向かっている今こそ化学・生命系分野にチャンスがきたとも言えます。地道に、高い志を持ち、予測のつき難い未来を徒に憂え悩むことなく、世界がますます読みにくくなった事実に素直に戸惑いながら、感性・センスを磨いていきましょう。

 ザクッと表現すれば“感性を研ぎ澄まし、清く正しく明るく、そして、お人よしでなく”生きていくぞということでしょうか。

 親和会会員の多くは大学、官庁、産業界にて、化学分野の研究開発・生産活動に関与し、対象専門分野も多岐に亘っています。そこで、所属する団体・企業は異なっても会員相互の“親和力”が強力な助っ人となると考えます。オープンイノベーション(脱自前主義とでもいえる)の重要性が叫ばれる現代において極めて強い縦横の絆:産官学連携のネットワークを有する素敵な“親和会”なのです。全くの初対面でも親和会メンバーと分かるだけで話が進むことも、新しい示唆を戴けることもあるでしょう。他企業・他団体との打ち合わせ前に「親和会ホームページ」の会員システムを利用し、同窓生の検索・閲覧などに目を通しておき「同窓生や母校東大の動き」に話の花を咲かせることも、新しい力になることでしょう。

 また30年に亘る少子化、20年に及ぶデフレにより地方は疲弊しているところも多いのではないでしょうか。「地方創生」という政府の大きな目標を共有し、地方にある“ものづくりの特殊な技術:尖がった技術”の発掘・養成・展開なども親和会の力の結集が強力な“矢”の一つとなる可能性も秘めていると考えます。

皆で力を合わせ今年も頑張ってやっていきましょう。。
最後に改めて皆様のますますのご繁栄とご健勝・ご多幸を心からお祈り申しあげます。  
 


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