年頭のご挨拶

                                

親和会会長 千葉泰久 


 皆様におかれましては健やかに新年をお迎えのこととお慶び申しあげます。 “さあ、やってやるぞ!”とまた新しい一歩を踏み出す目標を定め気合を入れ直した方も多いことでしょう。

 昨年の11月親和会総会にて、伊藤 東会長からバトンを託され、受け取りました千葉でございます。バトンの重みをひしひしと感じながら走り出した、歳はくっておりますが、新人です。今後ともどうぞよろしくご指導ご鞭撻いただきますようお願い申し上げます。

 さて、新興国景気の停滞懸念の中、日本経済には一昨年のアベノミクスや2020年オリンピックの東京開催決定の効果により明るい兆しが見えておりましたが、円安ドル高や消費税増税により小売業を中心に停滞感が出てまいりました。一方では消費税再増税の延期で財政再建の不確実性が高まったと米格付け大手が日本の長期国債の格付けを1段階引き下げるような現象もみられます。いつの世にも言われてきたことかもしれませんが、世の中が大きく変わろうとしていることが、更に今、強く感じられます。これらの変化を感性よくとらえ“清く正しく明るく、そして、お人よしでなく”生きていくことが問われているようです。

 米国発のシェールガス革命がエネルギー・資源の分野に大きなパラダイムシフトを喚起し、米国がエネルギー資源大国に返り咲き、コモディティを含めた世界の製造拠点までが様変わりをはじめたのです。更に地球温暖化対策という大命題も機軸に割り込んできて、あらゆる事象が取り沙汰されるようになり、多くの国々が自身の主義主張を唱え激しい綱引きが始まっています。人間が快適な社会生活を営み続けたいと望む限り、エネルギーの安定確保が総ての社会活動・行動の基本となります。このエネルギー確保のグローバルな流れを読み取り、これを基本に据えて取組んでいくことが今後の社会を切り開く力となるし、この難局に向かっている今こそ化学・生命系分野にチャンスがきたとも言えます。地道に、高い志を持ち、予測のつき難い未来を徒に憂え悩むことなく、この変革期を先のことだと一笑に付さず、感性・センスを磨いていきましょう。

 親和会会員の多くは大学、官庁、産業界にて、化学分野の研究開発・生産活動に関与し、対象専門分野も多岐に亘っています。そこで、所属する団体・企業は異なっても会員相互の“親和力”が強力な助っ人となると考えます。オープンイノベーション(ザクッと表現すれば:脱自前主義)の重要性が叫ばれる現代において極めて強い縦横の絆:産官学連携のネットワークを有する素敵な“親和会”なのです。全くの初対面でも親和会メンバーと分かるだけで話が進むことも、新しい示唆を戴けることもあるでしょう。他企業・他団体との打ち合わせ前に「親和会ホームページ」の会員システムを利用し、同窓生の検索・閲覧などに目を通しておき「同窓生や母校東大の動き」に話の花を咲かせることも、新しい力になることでしょう。

 また30年に亘る少子化、20年に及ぶデフレにより地方は疲弊しています。昨年末の衆議院選挙で圧勝された安倍首相も、「地方創生」という大きな目標を掲げておられますが、地方にある“ものづくりの特殊な技術:尖がった技術”の発掘・養成・展開なども親和会の力の結集が強力な“矢”の一つとなる可能性も秘めていると考えます。

 皆で力を合わせ今年も頑張ってやっていきましょう。
最後に皆様のますますのご繁栄とご健勝・ご多幸を祈念申しあげまして新年のご挨拶といたします。  

 



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